たつなみ

メリー・ポピンズ リターンズのたつなみのレビュー・感想・評価

3.7
普段、人が死んだり人肉食が出てきたりする映画が好きな私ですが、実は『メリーポピンズ』は大好きな映画の一つです。
心が躍るようなミュージカルシーンもさることながら、メリーが何者で、どこから来たのか一切説明の無いミステリアスな所が特に好きです。
あとついでに私の好きな女性のタイプがメリーの様なツンデレ系っていう所も要因の一つだったりします(どうでもいい情報)。

私のムスメもメリーポピンズが大好きという事もあり、遅ればせながら吹き替え版を鑑賞。
結論から言うと物語は良かったけど、吹き替え版のキャストが酷い…。
メリー役の平原綾香は歌唱力の高さもあってとても良かったが、マイケル役の谷原章介とジェーン役の堀内敬子の大根っぷりには終始イライラ…。
出来れば次は字幕版を観たい!と思った。

前作で圧倒的な存在感だったジュリー・アンドリュースに代わり、エミリー・ブラントがメリー役という事で一抹の不安を感じていたが(何せ銃ぶっ放して戦ってるイメージしか無いもんで)、始まってみれば違和感は全く無し。
むしろ彼女の方がツンデレ度二割り増し位で私的には全然アリ(どうでもいい情報)。

物語の構成は前作を踏襲した様な展開だし、所々前作との繋がりもあるので一見さんには厳しいかも。
ディック・ヴァン・ダイクが出てきた時はめっちゃ嬉しかった。

全編前作への愛情に溢れていて素晴らしいんだけど、谷原章介の声と相まってマイケルの呆れるほどの呑気さには心底ムカついた😠
吹き替えの酷さは置いといくとして、物語上この部分はどーしても引っかかる。

いくら亡くなった嫁さんに家計のことを任せっきりだったからって、家を抵当に入れてる事くらい知っとけや!
しかも親父から銀行の株券を相続してるクセにそのありかを全く知らないとは…。
子供の心を持ち続けるのは大事だけど、生きて行くにはそれだけじゃダメなんだよ…マイケル……😭

物語の舞台が大恐慌に向かっている時代という事で、恐らく現代の世界の危うさと重ねているんだろう。
メリーポピンズに戻ってきて貰わなきゃならない位、今は寂しい世の中なんだなぁ…と、しみじみ感じてしまった。

監督は続編についても言及しているらしいけど、確かに『寅さん』みたいに舞台を変えれば幾らでも話を続けられるよなぁ。
原作は8冊もあるって言うし。