Zhivago

メリー・ポピンズ リターンズのZhivagoのレビュー・感想・評価

3.4
やっと観れた。これをシアターで観ずに死ねない。1作目が円盤・配信でしかみたことがなく、公開当時にまだ生まれていなかった自分に悔しい思いをしていた。
私にとってこの作品群はもう中身云々ではないので、評価の対象にすべきではない。続編を作ってくれて感謝の気持ちであるから。
一作目のジュリーアンドリュースとヴァンダイクという神がかったコンビと比較してしまうのは、今回の演者に対して少々可哀そうというものかもしれない。エミリーブラントやリン=マニュエル・ミランダに罪はなかろう。21世になっても、アンドリュースとヴァンダイクにとって代わるべき演者が存在しないという現実をこそ悲しむべきだろう。
一作目を映画なり舞台なりで観たことがない方が、本作を観て一作目まで観る気が失せるようなことになってしまうなら、本作の罪は重いかもしれない。

細かいことをいえば、楽曲にジャズ調が強く、それは今風でノリがいいかもしれないが、舞台は世界恐慌時のロンドンなのだから、違和感しかなかった。ちょっと違うんではないかと。他の方のレビューはみていないが、皆さんはそこのところどう感じられたんだろうか。

ミュージカルとは総合芸術だと思うが、本作は、クラシックとモダンとコンテンポラリーが、ロンドンとブロードウェイが、原作と一作目が、一つの器にガチャガチャに投げ込まれているようで、全体として総合していない、そう感じた。

悪くいえば、作り手にメリーポピンズの世界観への愛情を感じられない。
一作目は世の子供たちはぜひ一度は観ておくべき作品だと思っているが、本作はむしろ今の子供たちが観る必要はない、そう思った。
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