2016年のNetflixオリジナル映画。主演はポール・ラッド。
障害を持った少年と、心に傷を負った介護士との交流を描いた心温まる物語。コメディも交えた笑って楽しめる部分も特徴で、そこはアメリカ映画らしく表現が少々過激。少年も皮肉交じりに下ネタやブラックジョークを飛ばし、介護士の男もそれに負けじと相手する。でもそれがとても人間的だと感じる。二人とも内には悲しみを抱えており、それを誤魔化すためにそう振舞ってもいる。その陰と陽の部分が見え隠れするところにリアルな人間像を感じさせるのだ。他の登場人物にしてもそうで、深みがある。しっかりと人間が描かれ、そこに人生の深みが表れている。良い作品だ。
ポール・ラッドがとても良かった。心に傷を抱えた繊細な部分を見事に表現している。いつも通りの情けないキャラも健在で、そこが笑いどころでもあった。笑わせる部分と、真面目で引き付ける部分。その塩梅が素晴らしい。改めて良い俳優だなと思った。障害を持った車いすの少年を演じるのは『ネイバーズ』のクレイグ・ロバーツ。この人もコメディとシリアスな演技を絶妙に使い分けられる人。本作の熱演は素晴らしい。重要な役どころで登場するセレーナ・ゴメスも強く印象に残る。俳優としての彼女もセクシーで魅力的だ。
人との出会いが人生を大きく変える。同じ世界で生きていても変化は起こらない。時には大きく踏み出す勇気も必要だと教えてくれる話だ。心が温かくじーんとくるシーンがいくつもある。評価通りの良作であった。
