140字プロレス鶴見辰吾ジラ

PUSH おすの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

PUSH おす(1987年製作の映画)
2.8
”ノゾミのなくならない世界”

手塚治虫の実験的アニメーション。

ボタンひとつで何でも新品に変わる世界。87年当時から今を見るとボタンひとつで、というか今はタッチパネルまで来ている。amazonでポチるとまで言われ、米兵はオフィスに出勤して空爆をする。これが良いことだと思い込んでも、何か異質さがつきまとう。今作のステップの刻み方が秀逸で車を新車に変えた後に出てくるペットショップの動物たちが怖い。洗濯板からボタンひとつで乾燥まで。釜戸で米を焦がさぬように、今はボタンひとつでふっくらご飯。機関銃から原子爆弾。

異質さに気がつかない愚かなニンゲンは、神に偉そうな態度で地球を貪り、後悔した日にゃ後の祭り。

今だからこそ、過去を知っているからこそ、未来を憂う。

それが如何した。
これでいいのだ。
それでいいのか?