Maoryu002

手紙は憶えているのMaoryu002のレビュー・感想・評価

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
4.3
妻を失った認知症のゼヴ(クリストファー・プラマー)は介護施設の友人マックス(マーティン・ランドー)から “これを見れば思い出す” と手紙を渡される。そこにはアウシュビッツで彼らの家族を殺し、ルディ・コランダーという偽名で暮らすドイツ人のことが書かれており、ゼヴは復讐のためにコランダーを探す旅に出る。

この映画はクリストファー・プラマーの演技に尽きる。
観客はゼヴとともに延々と旅をするのだが、道中はとにかくもどかしくて切ない。

プラマーは誰もが知る「サウンド・オブ・ミュージック」の頃も良かったけど、やはり「人生はビギナーズ」「しあわせはどこにある」「ゲティ家の身代金」「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」といった晩年の枯れた演技が堪らない。
ずっと老人俳優やっててほしかったんだけど残念だ。

映画のストーリーは老人版「メメント」と言えなくもない。
途中から何となく読めるんだけど、それでもラストはけっこう衝撃。非常に重く、そして面白かった。

家族を奪われた者の恨みは深い!
もちろんナチスの行為は許されないが、その恨みからの報復によって、過去のことを何も知らなかった家族たちまで、生活が一変してしまうんだろうなー。憎しみの連鎖が悲しい。

クリストファー・プラマー以外にも、「ベルリン・天使の詩」「ヒトラー 〜最期の12日間〜」のブルーノ・ガンツ、「U・ボート」のユルゲン・プロホノフ、「タッカー」「エド・ウッド」のマーティン・ランドーが出演し、老人たちの演技合戦はストーリーに負けないくらい見ごたえがある!
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