上映期間中気になりつつ、ホームでない映画館は予算的に節約でDVD待ちになるのよね。なので、楽しみにしてました、この作品。
認知症のおじいちゃんが手紙を頼りにホロコーストの思い出と向き合う、という前情報で、観る前からオチがどうなるのか非常に気になっていた。疑うポイントは多かったもの。そして、ああ……そう来たか……と。。わたしには読めてませんでした、その展開。
記憶というものの危うさよ。わたし自身も、この目で実際に見たと思っていた事が、経験上ありえない事に気付いて、何処から刷り込まれたのか分からない記憶を持っている。そしてそれもまたいつか忘れてしまうのだろう。
忘れるという行為は、幸せだ。妻の死さえも、忘れてしまえば、どこへ行ったのかな?だけで悲しさはない。しかし「手紙」は忘れる事を許さない。何度も何度も悲しみへ突き落とす。冴えない邦題だけれども、中々上手いと思った。