おだんごぱん

手紙は憶えているのおだんごぱんのレビュー・感想・評価

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
3.5
クリストファー・プラマーのおじいちゃん振りが最高。パルナサス博士の時もそうだったけど、危なげで頼りないおじいちゃん演技が絶妙。

ストーリーは、認知症を都合よく使われた感はあるが、人情味とミステリー性があり、時々ハラハラしながら引き込まれて一気にラストまで観入ってしまう、素晴らしい出来だと思う。
途中、「あれ?」、「おや?」と思っていたことが、最後に種明かしされ、「あー、なるほどー」と唸った。こういうの、久しぶりかも。

沢山のナチス党員が戦後(戦中から)名前を変えて国外に逃亡したという話、少し調べてみたが、かなり組織的に行われていたようで、そういった組織と、それを受け入れ、助ける国や政府、団体がいて、それぞれの思惑や利益のために成り立っていたという、なんともモヤモヤする仕組みがあった。一方、この映画でも登場するが、ナチス戦犯を捜索するユダヤ人からなる団体もあり、こちらの闘いは今でも続いているのだろう。

改めて、知らないことが多すぎるなぁと感じた次第。その上で、戦争、罪、恨み、復讐、過去と今とこれからについて考えさせられた。