ひらさま

手紙は憶えているのひらさまのレビュー・感想・評価

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
4.0
90歳目前の認知症を患う老人が、かってアウシュビッツで大勢のユダヤ人を殺害した看守を探し出し、復讐を果たすため旅にでる
眠るとすべてを忘れてしまう彼は、友人の書いた手紙を目覚めるたびに読む事により、自分の使命を思い出し、憎むべき男を追う
しかし…
彼が追い求めていたのは何だったのか、それが明らかになるクライマックスは衝撃的
そー言えば…といった伏線の張り方がなかなか巧みで、救いようのない真実は胸に刺さる
実年齢に近く、しかも痴呆症を患った役柄を演じたクリストファー・プラマーは、素晴らしい名演を披露
戦争による深い傷跡が消えるまでには、人の一生に等しい歳月を遥かに超える時間を要する