「ルース、ルースどこにいる?
明かりをつけてくれ、暗くて何も見えない!!」
最愛の妻ルースが亡くなった事すら忘れてしまうほどの認知症を患ったゼヴ(狼の意)。 同じ介護施設で友人マックスは頭はしっかりしているが車椅子生活だ。
そのマックスが書いた手紙を胸に、おぼつかない足取りで復讐の旅にでる。
電車、タクシー、ホテル、そして銃の購入、全てマックスがお膳立てした計画の通りに、用意周到に...。
なぜ認知症になるまで行動に移さなかったのか???
こんな老人に銃が扱えるのか???
珍道中の間、常にアタシ頭ん中に駆け巡って疑問...🤔
だが、リストに書き出された名前が最後の1人になった時、この計画の成功はセヴが認知症を患わなければ遂行出来ないと気づいた。
忘れ去りたい過去の封印が解けた時、復讐の鉄槌を下したセヴとマックスの旅は終わった。
「顔を見るまでもない。その声を覚えてる。」
過去を隠して自分を偽って生きてきた、愚かな人間が幾度となく繰り返してきた戦争の深い爪痕に静かな涙が流れます。