いずみたつや

レイルロード・タイガーのいずみたつやのレビュー・感想・評価

レイルロード・タイガー(2016年製作の映画)
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サイレント映画のような動きで魅せたい…という志は感じましたが、テンポが悪いし、編集や撮り方が上手くいっていない印象で、肝心のアクションシーンがどこで誰がどう頑張ってるのか見えづらかったです。

日本人の役が日本語が下手すぎる(日本語に字幕が入るのは驚きました)のは100歩譲ってまあいいかと思いましたが、当時の日本軍に女性幹部がいることに関しては違和感がありました。

映画の中ですから"そういうもの"として描くならどちらも構わないんですが、映画の構造やトーンと合わせて見たときに"ねじれ"が起きているのが気になります。

例えば、頭とお尻の「現代パート」を削るだけで印象が変わるのではないでしょうか。つまりこれは"歴史エンタメ"(『グレート・ウォール』的な)だよ、ということなら全て見逃せるんですが、現代パートがあることで、あの話が「現代と地続きのもの」であることが強調され、より実話っぽく見える構造になっています。

そうなると、精緻な描写は必要不可欠だと思うのですが、ディテールにはまるでこだわっていない、という中途半端さが違和感の原因ではないかと思います。

しかし、なんやかんやジャッキー親子が楽しそうなので、まあいいのかなという気にもなってくるので不思議です。