鋼鉄隊長

おじいちゃんはデブゴンの鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)
3.0
TSUTAYAで借りたDVDで鑑賞。

【あらすじ】
軍を退役した老人ディンは田舎で一人暮らしをしていた。そんな中、仲の良い隣人の少女チュンファがマフィアの抗争に巻き込まれてしまう…。

 この作品の最大の魅力は何といっても終盤のアクション・シーン。丸々と肥えたサモ・ハンの体と、その体重を支えきれずヨロヨロと歩く様子からは想像がつかない凄まじい戦闘を見せてくれる。それは正に、動かざること山のごとし。敵が数人がかりで襲い掛かろうが、体の軸を動かさずにどっしりと構えて体重を使い思いっきり投げ飛ばす。チンピラがナイフ片手に突っ込もうものなら、その腕を掴んで肩から下だけを動かして楽々と捻り上げる。その動きには全く無駄が無い。敵をなぎ倒し死屍累々の中で仁王立ちする様は、まるで大魔神のよう。このメガトン級の肉弾戦が見られただけでも大変満足。
 しかし、アクション以外はやや微妙。最近のアクション映画には珍しいのんびりとした展開は面白いのだが、時折唐突に物語が進むので違和感を感じる。そして、そもそも笑える場面がほとんど無い。それどころか物語は現代的でやや暗い。昭和な雰囲気が漂う邦題から、陽気な香港アクションを想像していたのだが、ふたを開ければ結構シリアス。サモ・ハンが認知症を患っているという役柄になっているのも切ない。
 アクションはとても素晴らしかったので、現代的なテーマは抑えつつ、往年の香港映画のノリを前面に出したほうが楽しめたかもしれない。
鋼鉄隊長

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