風来坊

おじいちゃんはデブゴンの風来坊のレビュー・感想・評価

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)
3.5
その昔、国家の要人を警護する中国軍の精鋭揃いの特殊部隊中央警衛局の凄腕局員だったディン。自分が目を離した隙に孫娘が失踪してしまう事件が起き、失意の今は退役して一人暮らしの生活をおくっていた。認知症の初期症状も出て暗い日々だが隣家に住む少女との交流だけが心の支えだった。そんなある日少女に危機が迫り、少女に孫娘を重ねるディンは少女を救うべく立ち上がる。サモハン・キンポーが主演と監督等を兼ねた意欲作のカンフーアクション。

デブゴンとタイトル付いていますが、サモハン・キンポーの名作「燃えよ!デブゴン」とはなんら関係無い。日本の宣伝担当が取っ付き易いように付けたんでしょうけど…スベってます…。コメディ色は意外に少なくシリアスなお話し。中国映画の仕様だから仕方無いけれど、冒頭から中国軍万歳みたいな映像見せられると拒否反応が出てしまう今日この頃…。

サモハンがアクション監督もしている事もあり、カンフーアクション以外のアクションシーンもスピード感あって見応えあります。荒々しい映像演出も光っていました。カンフーアクションは見せ物的な感じでなく、実践的な軍式徒手格闘スタイルでこれはこれでリアルで迫力があって素晴らしい。何となくセガールと被っている感じもしたけど…。ストーリーも所々に語りというか解説があるので分かり易いですね。邪魔と感じる人も居るでしょうけど。

アンディ・ラウ等出演者は豪華。サモハンの人柄というか人脈でしょうか?友情出演的にユン・ピョウが出ているのは嬉しい。これでジャッキーとベニー・ユキーデが出たら更に嬉しいのだが。悪役がホントに嫌な奴でニタリと笑う顔がホントに腹が立つので良い仕事しています。

いざ立ち上がる迄の話が長いし、もの哀しさが残る感じで何となくスッキリしないので難点に感じました。アクションシーン素晴らしいし、往年のサモハン・キンポーを知る者としては動きや演技を観ているだけでもニンマリしてしまう映画でした。
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