アズマロルヴァケル

クレイジー・ナインのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

クレイジー・ナイン(2015年製作の映画)
4.2
「今の僕には理解できない」な映画

32歳で貧乏な生活を送るラウ・キンビンは街を歩き、コンビニに行ってバイトを始める。イケメンの彼氏にデレデレな同僚女性店員、ケチな店長に囲まれつつ早速研修中の身でありながら始めるが、突如一人の老人が接客中の店長に向けてハサミを首もとに刺して、コンビニ強盗をして立て籠ったことから店内の雰囲気がガラリと変わり始める。その後、チアの服装を着た女性、裏社会のボス、警察官と様々な面々が来客するが、事態は血みどろの大惨事と化していくのだった。

えーと、見た限りでは映画好きが説明すると内容はタランティーノの「ヘイトフル・エイト」に福田雄一監督の「明烏」を融合したような斬新な映画でしたが、
開始から30分以降はそこから登場人物の
秘密が明らかになり、あういう人がさっきはまともだったのに悪人で、結局は主要人物の殆どが犯罪者ということで、なかなかのスリリングな展開に驚きの連続でした。

面白いとすれば、実は同僚女性店員の彼氏が実はホモゲイで、皮肉にもラウが服を脱いだときにもっこりとあそこが反応しているシーンとか、老人がロープで拘束しているのにチアの女性がドMなのかやけにあえぎ声を出していたりとその点に関してはいい笑いを届けてくれてはいました。

で、ラストに触れると、主人公とヒロインが生還してハッピーエンドかと思いきや、どんでん返しに次ぐどんでん返しであの人物がヒロインを殺害し、衝撃のラストが待っているのですが・・・実は冒頭のシーンである伏線が張られているのですが、それを忘れていなければそのシーンはかなり衝撃的なのですが、その更に衝撃のラストが待っているのですが・・・。「え、これで終わり?」「今の僕には理解できない」と言いたくなるラスト。これって臨死体験オチ?それとも夢オチ?エンドロールのあとに何もオチの説明をしてくれなかったので何とも言えないのですが、今年見た映画のなかではダントツの予測不能の展開に誰もが驚いてならない映画ではありますよ。ただスリラー映画「ダークレイン」よりはまあまあ救いがあるラストかな。