ノラネコの呑んで観るシネマ

キセキ あの日のソビトのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

キセキ あの日のソビト(2017年製作の映画)
3.8
夢の終わりと夢の始まりの物語。
Greeeenは歯医者さんの兼業ボーカルユニットというくらいしか知らなかった。
ミュージシャンの夢をストイックに突っ走る兄と、歯科大に通いながら趣味で音楽を始める弟。
主人公は、対照的な兄弟のお兄ちゃんの方。
弟の可能性を見抜くと自分の活動を諦め、裏方としてデビューに尽力しつつ、プロとして育て上げる健気なお兄ちゃんの物語に感情移入。
どんなに才能があっても、それを見つけてもらえる幸運は必要だ。
惜しむらくは物語の軸が兄弟の間で揺れていて、弟のドラマが少し弱い。
実際には6年間くらいの間の出来事を二年間程度に縮めていることも、弟サイドの物語のダイジェスト感を強めている。
留年騒動とか心臓病の少女の手術とか、取り上げといて放ったらかしのエピソードがあるのも気になる。
面白かったが、ディテールはややブラッシュアップ不足。