いぬたん

キセキ あの日のソビトのいぬたんのレビュー・感想・評価

キセキ あの日のソビト(2017年製作の映画)
2.8

『キセキ〜あの日のソビト』(2017)

GReeeeNの誕生についてのノンフィクションです。GReeeeNと言えば、2008年にROOKIESの実写ドラマの主題歌を担当して、一躍脚光を浴びた「一発屋」のイメージが強いです。

(実際は、調べたところ、現在もコンスタントにシングルをリリースしているようです、失礼!)

ROOKIESは、野球の漫画で、ろくでなしBLUESの作者が手がけた「野球版SLAM DUNK」とでも呼んでしまいそうな、不良更正漫画。(ちなみに、SLAM DUNKを不良更正漫画とは思ってないです。SLAM DUNKが国民へのバスケットボール普及を果たした、とすると、ROOKIESはただの不良漫画)

ROOKIESはニコタマ学園という多摩地区の架空の高校が舞台ですが、この映画のGReeeeNの人たちも多摩川の河川敷で歌の練習をしているシーンがあり、そういった繋がりでのタイアップだったのでしょうか?

さて、映画の内容ですが、かなり大きな期待をもって見始めただけに、少しガッカリした気持ちが大きかったです。冒頭から約半分の時間、「見たことあるぞ、この映画」という既視感。そうです、これ、『bandage』(2006)にソックリなのです。音楽にこだわりを持ったバンドマンが音楽会社からの要求に葛藤するというあらすじ。GReeeeNの兄の松坂桃李と赤西仁のルックスもなんだか似ています。

そして、兄の松坂桃李は音楽を諦め、弟のGReeeeN(菅田将暉たち)のプロデューサーをします。

ここで少し不思議に感じたのが、兄の松坂桃李は、音楽に強いこだわりを持っていたはずなのです。音楽会社からの「もっとポップでキャッチーに」という要求をはねのけて、自らの方針を貫いていたはずです。(メタルに分類される音楽だったと思いますが)

ところが、GReeeeNと言うと、「ポップでキャッチー」な音楽の代表的存在じゃないでしょうか。少なくともおれの中ではそういう認識なのですが、兄の松坂桃李は、それで良かったのでしょうか。価値観が変わってしまったのかな。自らのバンドとプロデューサーとしての価値観は別で構わないというスタンスなのでしょうか。少し腑に落ちないですね。

松坂桃李と菅田将暉の兄弟の父親役を演じるのは、小林薫。
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