若い力で一致団結して何かを成し遂げていくこの手のジャンルって邦画だけの専売特許かも。なんだかんだ言って好き。
洋画のティーンエイジャー達は、何かとホームパーティだのプロムだので騒ぎまくるばかり。日本の健全な10代男女を見習いたまえ。あ、劇中の土屋太鳳は20歳の設定だった。
しかしこの手の青春映画では、個人的には「ちはやふる」が最高峰。広瀬すずの独壇場だと思っている。土屋太鳳がそこに割って入れるか?所詮ちはやふるの亜流ではないのか?と思って鑑賞。矢本悠馬も出ているし!
流されるままに生きてきて一浪の末に理系大学に入学した鳥山ゆきな(土屋太鳳)。「一緒に空を飛ばないか?」と琵琶湖で開催される鳥人間コンテスト出場を目指す人力飛行機サークルに勧誘してきた高橋圭(高杉真宙)に一目惚れしたゆきなは入部を決意する。しかし、彼女がパイロットとしてペアを組むのは狂犬の異名を持つ坂場大志(間宮祥太朗)だった。
一言に人力飛行機と言っても関わる人数が多く、理系のメガネ男子達がその叡智を結集して1mでも長く飛行する事に情熱を燃やす姿は非常に興味深い。
そして勢いとテンションが凄い!
犬猿の仲であるゆきなと坂場のペアはひたすら罵り合ってペダルを漕ぎまくる!
まぁ要はエヴァンゲリオンにおけるシンジとアスカの「瞬間、心、重ねて」のエピソードの様な事で四苦八苦しながらコンテスト本番を迎える。
正直、勢いに任せたまま突っ走って飛んだ印象が強い。
坂場が何故突然ゆきなと組む事を決めたのかというドラマ性の弱さ、ライバル校の不在、実際に飛行するチームは2チームしか映されない等不満は残るが、何せ元気な主演2人で飛んでしまう。
コメディエンヌとしての土屋太鳳に惹かれ、2人のリズミカルな掛け合いに心踊れば、観ている者の気持ちは上昇気流に乗るが、「五月蝿い」「耳障り」と思ってしまえば、観ている者の気持ちは琵琶湖の湖面に真っ逆さま。
僕の気持ちは暫くまずまずの高度を保ちながらも、土屋太鳳の叫ぶ演技に次第に疲れてきて、そこそこの飛距離で着水しました。悪くはないんだけどなぁ。部員の気持ちを背負ってんだからさぁ、2人とももう少し合わせようとか、ないの?でも、人力飛行機が飛んでいく様子はなかなか壮観でした。
「ちはやふる」には及ばず。