ぺピノ

哭声 コクソンのぺピノのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.5
暫定で今年一番。
息を飲む展開、簡単に溜飲が下がることがない結末、最高としか言いようがない。

監督曰く、よそ者であったキリストがエルサレムで受けた「信頼」と「疑念」をモチーフにした物語。あるいはキリストの復活など。監督自身はキリスト教徒らしい。
全体のテイストはサイコホラーのようなサイコサスペンスのような。
比較にあげられる映画は「怒り」、「オーメン」、「エクソシスト」など。

西洋的な価値観(科学的合理主義、キリスト教的宗教観)ーアジア的な土着信仰、田舎の濃密なコミュニティー日本から来た異分子、幻覚ー現実、などの対立した緊張を孕みつつ、いつまでもどこまでも帰着を許さない展開。2時間半なんて一瞬。

結末はいくらでも考察のしようがあるけど、どうにでも取れるように作ったらしく観客に委ねるのだと言うので、控える。

とにかく見てほしい映画。

(日本人が穢れの存在として扱われるが、監督は日韓の政治的対立については意図的にオミットしているらしいので、そこにはあまり他意はないらしい)
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