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哭声 コクソンの3104のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.9
先に観た方々が何かいろいろと“語りたそう”だったのもあり、ネタバレはもとよりそれに近い類の情報も排して逃げ回ったのちにようやく観賞。

なるほど観た人と色々語りたくなるのもむべなるかな。

前半は謎を追うミステリー仕立てで、後半~折り返し地点の少し前辺り~からは若干意外な方向に話が展開。劇中の謎には最後に一応の「解」が与えられる。それに従ってもよく、また別の解釈を拡げてもよく(結果的に「作り手のミスリードに乗っかったまま」でもよく)、観る側の解釈に委ねられる部分も多い。

高水準の韓国映画らしい「圧」に視界と心をロックされたまま、2時間半超という少し長めのサイズなれど集中が途切れることなく乗り切れた。
重くスリリングで恐怖を煽る展開が多くも、ところどころに~計画的に、もしくは不意に~“笑い”が差し込まれているのがなんとも変というか、この作品をユニークな存在に押し上げることに成功している。
序盤の警官2人のやりとり、雷に撃たれる、そして真面目(?)にやっているがどこかコントっぽい祈祷のダンスシーン・・etc。

國村隼の演技は「いつも通りに流石」の一言。謎の少女役のチョン・ウヒ(『サニー 永遠の仲間たち』以来ひさびさに見た)は化粧っ気のない顔立ちがこれはこれで魅力的。

個人的に映画での「リバース」シーンはとにかく苦手なのだが、ここでのそれは豪快さ故かシチュエーションのせいか、まったく嫌悪を感じなかった。反対に何度かあった食事シーンはどこまでも美味しそうに見えず、ただただテンションが下がるのみ(これは韓国映画全般にいえる個人的感想)。

陳腐な表現だが「信じる(/信じない)」とは?を問われる作品。
信じる(/信じない)によって何が見えるか、見たいかとも言い換えられるか。
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