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哭声 コクソンのtetsuのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.0
兄が友達から、この作品が"宗教"について上手く描かれた作品である、と聞いたので、共に鑑賞!

谷城(コクソン)という村で連続で起きた殺人事件、それは村人が自分の家族を殺してしまうという凄惨なものであった。
村に住む警察官ジョングは、事件を追っていく内、その背後に"謎の日本人"が関わっていることを知る。
しかし、いつの間にやら、ジョング自身も事件に巻き込まれて...。

ここで少し雑学を挟みますがw
去年、予備校生だったころ、漢文の授業で"哭く"という漢字が、日本の静かに"泣く"のとはちがい、大声で激しく泣くことだ、と習いました。
今作は、タイトルに"哭"とついているだけあって、そんなシーンが多く登場します。
老若男女問わず、さまざまな人物が哭くのですが、その中でも特に少女の哭く演技は必見でした!

ところで、率直なところ、
確かに好評価も納得の作品でしたが、好きか、嫌いか、で言うと、割りと嫌いな部類の映画であることも事実でした...。笑笑

ここからは、僕の好みですが...、
「マイ・ボス マイ・ヒーロー」(TOKIOの長瀬さん主演ドラマの原作映画)や、「超能力者」(藤原竜也×山田孝行主演「MONSTERZ/モンスターズ」の原作映画)など、僕が観た他の韓国映画でもそうだったのですが、その作中に漂う独特の陰湿さと唐突にぶっこむ下ネタがあまり合わず、僕自身、得意ではないため、今回もどうしても好きにはなれませんでした...。orz

また、めくるめく悲劇が引き起こすやるせない絶望感は重たく、良くも悪くも、元気な時に観ないと、相当疲れる作品だな、とも思いましたし...。笑笑

ところで、これは完全に余談ですが、
作中の少女が両親の夜の営みを理解している設定や、あらすじに書いている通り、凄惨な殺人現場が映ったりと、全体的に大人向けな本作。
韓国ではR-15になっていたそうですが、日本では、なぜか全年齢対象のG区分になっているため、映倫を少し心配しました。笑笑

最後に、
スリラー映画かと思えば、途中でジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」みたいになるためw、ジャンル不特定なB級ホラー映画!とも とられがちなこの作品。
しかし、本当にすごいのは、そんな中にキリスト教的テーマを随所随所に含んでいたこと。

それもそのはず、
調べてみると、韓国は人口の約3割がキリスト教徒だそうで、国内の最も勢力が大きい宗教なんだとか...。

僕自身、まだまだ、キリスト教に関して無知な事が多いため、分からないことも多かったのですが、
終盤の展開には、神を信じるものが助かり、信じない者は地獄に落ちるという"最後の審判"のようなものを再現しているように感じました。
その他にも、"復活"、"聖痕"などなど、知っている人が観れば、ピンとくる展開のオンパレードだそうで、また、詳しくなって観てみると、評価は変わるかもしれませんね...。

というわけで、僕が言える立場でもないのですがw、是非、一度観た方にも、解説を読んだり、キリスト教について深く知ってから、改めて観直してほしい作品です!

参考

韓国のキリスト教 - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99

映画『哭声 コクソン』感想と解説、考察 本作が描いた『カオス』の正体 - 物語る亀
http://blog.monogatarukame.net/entry/kokuson
(↑本作とキリスト教との関係性について、分かりやすく書かれています!)
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