たつなみ

哭声 コクソンのたつなみのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.0
『韓国』という国に対し個人的に思う所があったので観るのを後回しにしていた作品。
『一体何を観せられていたのか訳が分からない…』というのが率直な感想だった。
こんなに奥深い作品だったとは。
恐れ入りましたm(__)m

不可思議な猟奇殺人事件から始まるサスペンスかと思いきや、エクソシストが登場し始めてからは『?』の連続。
本当に最後まで訳が分からない。
だからこそストーリーに最後まで引き込まれる。

最も愛するものを救う為なら『善』や『悪』の判断などどうでも良い。
主人公ジョング(クァク・ドウォン)の行動は時に常軌を逸しているが、非常に人間的だ。
彼の焦りや逡巡は同じく娘を持つ父親として物凄く理解出来る。
悪魔はそれを見逃さず、善なる者が悪に転げ落ちる姿を求めているのだが…。

『神と悪魔』が現実にいたとしたら、我々人間はこんな風に只々惑わされ、翻弄されるしかないのかもしれない。
信仰心の薄い私の様な人間からすると『何でこんな目に会うんだ?』としか思えないだろう。
何となく、M.ローク主演の『エンゼルハート』を彷彿とさせる物語だった。

それにしても久々に本当に『怖い』と言える作品を観た気がする。