暮色涼風

哭声 コクソンの暮色涼風のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.9
何を信じればいいのか?
最後までしっかり騙された。

どんでん返しはあるけど、結末を知っても、2回目もかなり楽しめる。
むしろ、ファーストシーンを思い出して理解し、もう鳥肌がたった。そしてその2回目の鑑賞では、違う捉え方ができてしまう映画。
何度も観たい内容ではないが。

さらに、キリスト教の知識を得てから観ると、伏線の細かい芸により唸らされる。
気付いても気付いても、まだ気付いていないことがあるような、良くできた脚本と演出である。

特に凄いのは、観客が何を信じるのかによって、観終わった後、誰が何だったのかが変わってくるということ。

しかし途中、人物がするべきことをせず、「その後どうなったの?」と気になるような、ちょっと早すぎるタイミングでシーンが切り替わったり、夢オチになったりしているところが何度かあって、フラストレーションが溜まっていた。
それも結局は、後でなるほどと思える演出であったからセーフ。

國村隼さんの、善悪どっちつかずの演技も素晴らしい。

ひとつ、それはどうなんだろうと疑問に思ったことは、神か悪魔のようなものが釣りをしたり、パスポートを持っていたり、バスで移動したりしていること。らしくない。
暮色涼風

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