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哭声 コクソンのryacのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.8
おもしろすぎる……!

「サスペンスかな?」→「サイコスリラー?」→「パンデミックもの?」→「オカルトホラー?」→「ゾンビ映画かよ!」→「!?!?」

ジャンルももう何だか分からない、次から次へと息もつく間もなくいろんなことが起こりまくる最強のホラー。
2時間半の長尺ながら物語は一切中だるみせずにドライブしていき、何もかもが狂ったラストシーンへと進んでいくさまはまさに圧巻。

序盤はやたらギャグセンの高いコメディシーンやふんどし一丁で生でシカを食うなどの珍妙な國村隼に思わず爆笑し、
中盤は祈祷合戦?みたいなシーンの熱さ、事の真相が次第に明らかになりそうでならない緊張感に息をのみ、
終盤に身の毛のよだつような恐怖をまじまじと味わう……
ホラーだけでなく、映画というコンテンツの面白さを凝縮したような作品だと思った!
あまりの充実っぷりに、ものすごく凄惨でおぞましい話なのに見終わったあとはなんだか心地よい気分に……

クァク・ドウォン演じる主人公のキャラも良くて、突然娘に暴言を吐かれてポカーンと呆然とするシーンがとくに最高だった。娘の暴言もあまりにエグくて笑ってしまった(『息もできない』で有名なあの「シバラマー!」とか)。
ほかにも日本語通訳役のイサムなど、端役に至るまでキャラの立った登場人物はみんな魅力的。

乾いた印象の画面構成や色味、舞台となる村の風景や國村邸の雑多で狂った感じ、そしてもちろんグロテスク描写など、視覚的にも頭に焼き付くようなカットが盛りだくさん。
最初は笑えた國村隼の風貌も、物語が進行していくにつれどんどんゾッとするような化け物に変貌していくのが本当に怖かった。

こんな最高の映画を今まで見逃していたとは!リアルタイムで劇場で見たかったー!