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哭声 コクソンのrintarockのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

犯人が明かされない映画ってほんといいな。ありがとうナ・ホンジンさん。

國村隼の演技は素晴らしいの一言。ほれぼれします。また、主要な役者も憑依レベルの演技で、陰湿な世界観を吐き気を催すほどに表現しています。

物語は犯人探しで展開しますが、誰を信じ、誰を疑っても正解にはたどり着けないように作られているので、自説を語れる人と観るのが楽しそうと思いました。なお僕は通勤電車の中で眉根を潜めながら観ました。

以下自説。
この映画はユダヤ人側から見たキリストのメタファ。劇中での人の死は混乱の象徴であり、メタファを浮かび上がらせるための舞台装置(なので犯人が誰かはどうでも良いのかも。でもスリラーとしても面白い映画)。

山の中の男は生存中は人間、復活後は霊。よそ者を排斥しがちな閉鎖的なコミュニティからは悪魔に見える。主人公の娘は偏見がないため、キリストと接触する。娘が取り憑かれたようにみえるのは帰依、信仰替えのメタファー。そして山の中の人は、現実と確認できるシーンでは誰も殺していない。ラストシーンの悪魔化は、神父ですらほんとは神を信じていないことの皮肉。または異教への恐怖。

白い女は霊的な存在?現れ方が非現実的。

祈祷師。
山の中の男とグルだったとは思えない。村人側からみた司祭というポジションなのは間違いない。最後に娘を無視したり写真を撮ったりするのは、信仰を食い物にする行為を表しているのかも。
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