Clara

マネー・スキャンダル 破滅への欲望のClaraのレビュー・感想・評価

2.0
ウォール街。華やかかつ日々、壮絶な戦いが繰り広げられる場を舞台にした作品は数あれど、思い返せば男性主体のものばかりだったことに気付かされた。女性目線の本品を観ることで。脚本や監督も女性。

描かれているのは、「仕事命!!」「野心メラメラ」「モチベーションはお金!!」と言い切るタフな女性たち。とはいえ、本当のところはお金が大事で欲しいのではなくて、評価・評判が欲しいのだ。「稼げる女性」=「できる人」という認識があるから、世の中に認められたいという認識・肯定欲求が強い人たちということでもあるのかなと。
理由はなんであれ、徹底的に努力して結果を出し続けることができるのは素晴らしいことで、自分もそうできるようになりたいとしみじみ…。

ただ上り詰めるほどに、自分を取り巻く環境は卑劣さと複雑さを極めるわけで、そこは嫌気がさす部分。そして、投資銀行で注目ハイテク企業のIPOを手掛けてきた主人公・ナオミは、「稼げる女」という評判をさらに高めようとガツガツ奮闘していて、その姿からは失敗できないという恐怖や焦りといった追われる者の苦労も垣間見える。
特段面白い部分があるわけではないのだけれど、引き込まれる作品だった。
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