す

アリー/ スター誕生のすのネタバレレビュー・内容・結末

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

レディガガの歌のうまさに圧倒された。
ドラッグバーでのフランス風の歌は最高だった。あのベタな曲、やっぱり良いなぁ。

いつものかっこいい姿とは正反対の初々しい役どころのガガ。それと同じような脚本と演出、編集の仕方の初々しさに驚いた。
そうだった、脚本と監督は初挑戦のブラッドリークーパーだったんだ。

物語はシンデレラストーリーかと思いきや、アル中の中年歌手を真っ直ぐに支える若い女性の現実離れした話でした。

突然酔っ払いを殴るガガにも驚いたけど、スーパーの駐車場で会話の途中に歌いだした流れには驚いた。
これ、ガガじゃなかったら結構さむいシーンだよな?という気持ちが一瞬湧いて、消えた。やはり歌はうまい。

ライブに初めて呼ばれたときも、あんなに戸惑っていたのに突然歌い出し、勝手にアレンジされた曲でも余裕でハモれることに驚いた。意を決して歌い出したのだろうけどあまりそんな風にも見えなかった。なかなか強引な・・・という気持ちが一瞬湧いて、消えた。やはりうまい。

父親の家にいる親友3人、さっきまで拗ねていたのに突然のプロポーズ・・と設定の合間を埋めるようなシーンがないままどんどん進む強引な展開が多々あるけれど、結局許せてしまう。歌の力はすごい。


一方、ブラッドリークーパーは、こんなおじさんだったっけ?と思うほどいつものかっこよさは影を潜めていた。たまにハリソンフォードに見えた。
何より気になったのは、映画の中に見え隠れするクーパーのフェチ。
彼女の活躍に嫉妬しても、アル中になっても、グラミー賞を台無しにしてもクーパーを見捨てないで愛し続ける女神のようなガガ。
どんなに落ちぶれても見放さない初々しい彼女が欲しいのか?そんな女はこの世にはいない!親父ファンタジー過ぎる!と突っ込みたくなるような無茶苦茶な恋愛観。
現実でも大スターであるガガの顔面にケーキを擦りつけたのは、『このシーンを入れた意図は?』とすごく嫌な感じだったけれど、あれを「ヤリたいのね」と解釈したガガに深い母性を感じたよ。
しかし、クーパーがガガのコンプレックスの鼻をいつまでも「好きだよ」といじり続けるところに支配欲を感じてしまった。

ガガのほうはドラッグクィーンと仕事をしたり、初夜に急いで股間を拭いたシーンに「レディガガっぽさ」を があって、それは却って潔く感じたけれど。
クーパーのほうはなんだか見た目もしょぼくれているし、内面のカッコ悪さを疑ってしまって、少しだけ嫌いになりそうです。。

最後まで身勝手な彼!
それでもガガは愛し続ける・・・しかし最終的には彼女のために身を引くオレ!
初々しいというか幼稚な恋愛観!グラミー賞を台無しにしたクセに!!
これはクーパーの趣味ではなく、あくまでもただの物語だと信じたい。

【追記】
勉強不足だった。「スタア誕生」の4度目のリメイクらしい。パンフ読んでよかった・・。
ドラッグクィーンのバーで歌ったエディットピアフの歌の選曲は、母国のフランスへの敬愛を示したのかな?などと思いを馳せているうちにまた見たくなり、3.3から3.5に点数アップ(2018/12/02)


2018/11/29試写会ふ
す