アリー演じるレディー・ガガの歌声を初めて聴いたが、圧倒的な歌唱力と声量には本当に驚いた。有名シンガーだからとの思い込みは完全に崩された。初主演の女優としても、素顔をさらけ出してまるでレディー・ガガ誕生ストーリーかと思わせる仕上がりで素晴らしい。ウェイトレスから国民的カントリーシンガーに才能を見出されてデビュー、恋愛、スターへの階段を駆け登る熱演は熱く心に響いた。
ストーリーとしては定番だがアリー役をガガが演じたことに意味があると思う。ガガもNY近郊のクラブでダンサーからスタートしたという。本作は比較的会話も多いのだが、どの場面でもガガの高い演技力に感心させられた。歌の場面では、ステージ横から出てきて不安げに歌いだしたShallowに圧倒された。映画内で2回演奏されたが後者がもちろん良い。スターになったアリーが自信を持って感情を込めて歌い上げるからだ。この曲を聴いてレディー・ガガを聴いてみようと素直に思った。
落ち目のカントリーシンガーのジャクソン役のブラッドリー・クーパーは、元ミュージシャンかと思う程上手いのでこれまた驚かされた。半年程度の練習とはいえ、映画内の挿入歌を全て演奏し歌えるとは凄い努力だと思う。そして、初監督もした訳だから彼の挑戦は称賛に値すると言っても過言ではない。
