アリー/ スター誕生のえむえすぷらすのネタバレレビュー・内容・結末

多分好きな人は好きになる作品。私は合わなかった。
ストーリーが薄め。でもライブシーンで何もかも持っていくための仕掛けがある訳でもない。単線というより起伏に乏しい中に見事な二人の歌唱が入ってくるが、それが直接ストーリーに絡む仕掛けが出来ていない。
音楽映画は大抵ここにものすごく神経を払っている。「リズと青い鳥」は童話世界と高校吹奏楽部の二人をコンクールのための合奏練習を主軸にして相互関係させてエモーショナルな化学反応を起こしている。「ボヘミアン・ラプソディ」はLIVE AIDにフォーカスしてそれまでにQUEENというバンドで起きた事を元に最後までパフォーマーであろうとしたフレディとメンバー達を描く事で「ずっと続けばいいのに」という見事なライブパフォーマンスの再現を成し遂げた。

アリーはそういう仕掛けが希薄。アリーを主人公として引き立てるなら、監督は自身の役をもっと引いておかないとダメだと思う。音楽映画は音楽の見事さの前に脚本、プロットがしっかりしてないと持たない。本作はそういう弱点を抱えている。アカデミー賞レースでこれがどうでるのか。あちらでの本作受容ともろ絡むところなのでまた反応記事は探して読みたい。