アリスinムビチケ図鑑

アリー/ スター誕生のアリスinムビチケ図鑑のレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
4.0
予告のブラッドリー・クーパーとガガが歌う"shallow"が印象的だったので、
109シネマズで敢えてIMAXをチョイス。

ストーリーは以前に3回、今回で4回目のリメイクになります。
クリント・イーストウッドが監督でビヨンセを起用しての話や、
ジャクソン役もブラッド・ピットやトム・クルーズ、ジョニー・デップへの出演交渉もあった様でした。
結局、ブラッドリー・クーパーが監督兼ジャクソン役で出演、
主演をレディ・ガガで制作が決まり無事撮影されたそうです。

アリーのモデルとなる人物については調べてみましたが書かれているものが見つからず分かりませんでしたが、
ジャクソンのモデルは実在した人物で、
"パール・ジャム"の"エディ・ヴェダー"と言うバンドボーカルだったそうです。


アリー(レディ・ガガ)とジャクソン(ブラッドリー・クーパー)との出会いから音楽を通じて育んだ愛の物語、
アリーの煌びやかなスターダムへ一気に駆け上がる姿と、
逆に人気に陰りを見せ酒に溺れ落ちて行くジャクソンの2人の光と陰の対比・絆・才能の発掘と開花の物語が、歌唱力のある歌と共に描かれています。

ジャクソンの落ちて行く姿を泥臭く描き、2人の関係性も丁寧に描いて行く事で、
人間味に溢れ、リアリティのある描写となり、
物語も深みを帯びつつ奥行きのあるヒューマンドラマに仕上がっていました。

更に陰の部分をしっかり見せる事で、
アリーの光の部分(スターへの道を駆け上がって行く様)が際立ち、
よりいきいきと映し出されていました。


初めて出会った日に誰も居ない駐車場に2人。
何となく口ずさむshallow"
だんだん力がこもり一瞬 息を呑む様な美しい歌声を披露するアリー。
光る才能も眩しく、
ジャクソンの心に光が差し込むのが印象的。

ジャクソンのライブに呼ばれるアリー。
舞台で名を呼ばれ緊張と興奮の中、初めて沢山の人の前で歌う"shallow"
解き放たれた様に伸びやかな声で歌い、
2人で興奮を抑えきれない様に寄り添いながら重ねる歌声が感動的。

スターダムを駆け上がり成功を収めたアリー。
ジャクソンが居ない1人だけの"shallow"
力強く伸びやかだけど、どこか寂しげに感じてしまう。

そしてジャクソンがアリーを想いながら書いた"I'll Never Love Again"
フラッシュバックする2人の愛の日々。
アリーの熱唱に思わず目頭が熱くなる。


ストーリーもさる事ながら、
やはりガガの歌唱力に圧倒され、感動する作品です。
そして、シンガーで無いブラッドリー・クーパーの努力と才能が光る歌唱力にも注目する作品だと思います。
また、ナチュラルメイクのガガの美しさや、演技力にも驚かされました。


映画を後にして、レビューを書くのに曲名を調べる為"I'll Never Love Again"の動画を観ながら、
映画のシーンが込み上げて来て思わず泣いてしまいました。

決して派手な映画では無いけど、
とても素晴らしい作品だと思いました。