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アリー/ スター誕生のyumeayuのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
4.0
"Shallow"

アメリカでは何度もリメイクされているサクセス・ストーリー。その為かストーリー自体は王道というか、かなり平凡に感じました。
しかし、その平凡さを主演二人の演技とカメラワーク、そして素晴らしい音楽で見事にフォロー。
補って有り余るほどの感動を味わうことができました!

元々はクリント・イーストウッド監督、ビヨンセ主演で映画化の計画がされていたとか。
それを「アメリカン・スナイパー」でイーストウッド監督とタッグを組んだブラッドリー・クーパーが初監督作品として引き継ぎました。
今作の成功から、イーストウッド監督の後継者との声も上がっているそうですが、あながち間違いではないなと思いましたね。

今作の特徴的なところは、常に演者にクローズアップする独特なカメラワーク。
余計なものを画面から排除することで、主人公アリーとジャクソンの世界に浸ることができて、二人の心情をすごく感じとることができました。

アリーを演じたレディー・ガガの演技が、初主演作とは思えないほど良くてビックリしました。
アリーの自信のなさ、戸惑い、緊張感、スターダムにのし上がって輝く表情など、シーンを追うごとに変わっていく姿や心情の表現が素晴らしかった。
普段は奇抜なメイクや行動が注目されがちだけれど、やっぱりレディー・ガガの歌唱力と表現力は素晴らしいと再確認しました。
本国アメリカでは人気にやや陰りが見えていた彼女ですが、今作のヒットで見事に復活したようです。

劇中で自分の容姿を貶されたエピソードなどは実際に自分の身に起きたことを元にしているそう。
確かにレディー・ガガ本人の人生に重なる部分も多い気がする。これはまさに「Born This Way」だ!
それにしても、そんな気にするほど鼻が変かな? 普通に美人だと思いましたけどね…。

また、どうしても同時期に公開された「ボヘミアン・ラプソディ」と比較されてしまうのは仕方ないことか。
どちらも素晴らしいのは言うまでもないですが、ライブシーンは「ボヘミアン・ラプソディ」とはベクトルの違う感動を覚えました。
「ボヘミアン・ラプソディ」の音楽はテンションが上がるというか、鼓動が高鳴るような感じでしたが、今作はとにかくエモーショナルでドラマチックでしたね。
自然と涙が溢れでました…。
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