塩辛亭ショッパイ

アリー/ スター誕生の塩辛亭ショッパイのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
4.3
まず、謝りたいことがある。レディ・ガガさん、これまであなたのことをただの〝コスプレおばさん〟だと思っていました、すいません。

というのも、自分が中高生くらいのころ初めて『めざましテレビ』でレディ・ガガを見たとき、人智を超えたトンチキファッションとイカれメイクな御姿だったことと、その雰囲気からか、なぜかずっと「40〜50代中年女性」だと勘違いしてここまで生きてきたからだ。だから今は還暦ぐらいなんじゃないかと。

その刷り込みがありつつ「何かガガおばさんの伝記映画がやってらぁ」くらいの予備知識ナシ状態で見たので、最初にアリーが出てきたときは、「よく似た人見つけてきたね」くらいにしか思っていなかった。最後の最後まであれが本人だと気づかず(歌のときだけ声当ててるんだと思って)見ていたもんだからエンドロールが流れた途端、

「ふはぁ!?!? 本人なの!? あれがレディガガなの!? ……んでブラッドリー・クーパーが監督なの!? ぇあ!? あの曲クーパーが作ってたの!?」と頭が大混乱してしまった。
Wikipediaによるとレディ・ガガはまだ32歳とのことらしい……。イクラが鮭の卵だと初めて知ったときと同じくらいの衝撃。ガガ様こんなに可愛いんかい! そしてなんであんな演技上手いの!? もうわけわからん。しかもブラッドリー・メチャ歌うま・クーパーだしよぉ〜。

……といったショックだけで終わるには勿体無いくらい、作品自体の出来もいい! なんならエンドロール直前のラストシーンでは泣いてたくらいなもんで(だからこそ直後の「ふはぁ!?」により、ここ数年で一番の情緒ジェットコースターになった)。

そもそも伝記映画じゃなくてフィクションだと知ったのも、見終わった後の話だった。「50代ガガおばさんの伝記なのにスマホ時代ってなんやねん」「なんでジャックのバンド名1度も出てこんのじゃ。誰やねん」とかそんな疑問が全て解決された。
旦那が人前でやらかしたなんて話はよく聞くが、「旦那がグラミー賞の壇上でおもらし」は格が違いすぎる……と思ったけど、あれもフィクションってことでいいんだね? 本当に良かった。

ラストofラストシーンはいわずもがな、前半の駐車場のシーンも素晴らしいし、個人的にグッときたのはジャックと兄の和解シーン。「俺が憧れてたのは兄貴よ」の後の〝車バックさせながらの兄顔〟が最高。カメラがめちゃアップな感じもいいよねぇ。
表立ったマイナスポイントを挙げるとしたら、一瞬映ったジャックのタトゥーがくそダサかったことくらい。

ずっと50代コスプレおばさんだと思っていたレディ・ガガさんの見方が180度変わったことも含めて『A Star Is Born』でした!
塩辛亭ショッパイ

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