ノラネコの呑んで観るシネマ

ディストピア パンドラの少女のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.1
突然変異した真菌の感染で、人類の大半が"ハングリーズ"と呼ばれる生ける死体化した世界。
感染したにも関わらず、知性を失わない少女と、彼女からワクチンを作り出そうとするマッドサイエンティスト、少女が慕う教師、生き残った軍人たちのロードムービー。
ゾンビもののバリエーションながら、イギリス映画独特のウエットな文学的なムードを持ち、ジュブナイルの要素が強い。
大人たちに混じってのサバイバルから、少女が自分が何者なのかを知り、生きる意味を見出してゆくプロセスはなかなか面白い。
ミステリアスな"学校"から始まって、やがて星を継ぐものを巡る、壮大な選択の物語にとなる展開は、なるほど終末の世界のパンドラの神話。
正直あんまり期待してなかったのだが、これはかなり好み。
意外な拾い物だった。
ブログ記事:
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-1033.html