メイマーツインズ

21世紀の資本のメイマーツインズのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
3.5
《あなたが金持ちになるか?貧乏になるか?その答えがここにある》

原作は人気経済学者ピケティで、”人間と財〟について、魅惑的な映像でわかりやすく描いたドキュメンタリー作品。

この作品、観る者に容赦なく厳しい現実を突きつけてくる…(汗)
でもドキュメンタリーらしからぬセンス溢れる映像とスピード感ある展開で面白い!

戦争と経済システムは密接な関係性があり、ドイツでのナチスの台頭は第一次世界大戦後の経済疲弊がもたらした。
そのナチス・ドイツが第二次世界大戦を引き起こすことになるのだが、戦争中に人々は気づくことになる。

”死の前では、金持ちも貧乏人も平等…〟

皮肉なもので、死と隣り合わせの
戦争が経済システムの改良のきっかけとなった。
第二次世界大戦後は世界中で平等意識が加速していき、資産家が資本を自由にできるという発想が否定され、労働者の福利厚生の制度が確立されていく。
そして、世界中が勤勉と努力が報われる高度成長社会になり、強い中産階級が影響力をもつようになる。まさに戦後は、中産階級の時代へ。

1970年代のオイルショックで物価が上昇、世界は不安定となり、効率性を重視したグローバル化へと向かっていく。
労働者の影響力が強いドイツと日本が台頭し、特に日本の勢いは凄まじく80年代は”Japan as No.1〟で世界を席巻することに。
90年代になり日本はバブル崩壊で失速、アメリカ復活へ。
大国間の戦争がなく平和が長く続いたことで、中産階級は萎み続け、21世紀の今、世界は再び経済格差の時代になっている。
”金が金を産む〟という経済システムは資本家に優しく労働者が報われないということであり、多くの人々の不満のマグマが溜まっている。こういう状況は歴史的にみて世界戦争への予兆になっているともいえる…
国民の不満を外に向け、戦争で解消していくという歴史がずっと繰り返されてきたからだ。
これから、世界は日本はどうなっていくのだろう?

栄枯盛衰は世の常。

世界中の人々の資本主義への不満を吸収した中国が世界の覇権を握り、中国中心の”新しい世界〟が遅かれ早かれ到来するような気がしてならない…

知的好奇心をくすぐられ、楽しみながら学べるドキュメンタリー作品。特に10代〜20代の方にオススメします!