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21世紀の資本のCUのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
4.5
日本でも著名なフランスの経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』をベースにしたノンフィクション映画。

作品内では主に18世記から現在までの欧米史とともに資本主義が台頭してから増大するまでの流れを、複数の人々が語る手法をとっている。

とてもわかりやすくて面白かったし、かつ、非常にスリリングだった。過去200年の間、人間がいかに資本に振り回されてきたか、そして現在も振り回されているかを理解した。

とくに、第一次世界大戦すら、その発端が実はヨーロッパ各国における資本主義の暴走と関連していた話には鳥肌が立った。

資本の集中を抑制して、全体で豊かになろうという民主主義が成功していたのが第二次世界大戦後の十数年というのも皮肉な話である。

現在の状況を鑑みると、民主主義よりも資本主義の方が社会において強くなっていると思う。おそらく日本も他の国も。

このまま行けば、資本を独占するものしか助からない世の中になるだろうとピケティは言う。そのため、富と権力の集中を抑制し、平等を目指すことが大切であると。

しかし、資本家たちはきっとこう言うだろう。「自分の稼いだ金を何故分配せねばならないのか。自分の稼いだ金は自分のものではないのかと」。

それでもなお、平等が大事だとピケティは説く。おそらくそれは、民主主義のイデオロギーに反するからなのか否か。つまり、この世はやはり1人で成り立っているのではないということだろう。

一見難しそうな作品だが、もっと多くの人にこの映画を観て欲しい。大人はもちろん、中学生や高校生にも。社会の授業の良い教材ともなるのではないか。