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幼な子われらに生まれのNMのレビュー・感想・評価

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)
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いや~な雰囲気満載。

主人公、田中信の現家庭
・現妻
・長女 
・次女
・後からもう一人赤ちゃん 田中との子

前家庭
・前妻 現在再婚
・主人公との間の娘

登場した田中は真面目でいい人そう。
だが再婚した家庭はいまいちうまくいっていない。

特に思春期の長女は全力で拒絶。田中は懸命に努力しているが決して父とは認めてくれない。

現妻は若くて明るい。夫を愛しているが、どうも物事をあまり深刻に受け止めない性格らしい。
元来の性格か、或いは前の結婚があまりに悲惨だったため今度こそ幸せになれると信じ浮かれているのか。

まだまだこれからの新しい家族。
そんななか現妻が妊娠。

しかし夫は家庭を最優先にしてきたため、出向という体裁の左遷に遭ってしまう。リストラの危機。

今後この家族はどうなっていくのか……。


前の妻はというと自立心が強い性格。
現妻とは服装の趣味まで正反対。妻は仕事第一で出産を望まず、2年半で別れた。
お互い気持ちを思い合うことができず深刻なすれ違いがあったようだ。

前妻の指摘する通り、彼は物腰穏やかで一見知的だが、言われてみれば実は単純な思考と行動を取りがちな人間だったようにも思えた。目の前の事象だけをとらえ、自分の思考内だけで物事を判断しているようだ。
結婚生活の終わりの時や、再婚家庭での行動、後妻のチョイス。
分かりやすい。

会社ではぱっとしないがマイホームパパ、だが子どもには嫌われている。彼なりに懸命だがなかなか残念な状況だ。
このままでは揉め事が起きないはずもない。

現家庭の長女かおるの孤独も深刻。
本当の父は妻子にも暴力を振るっていた。それでもまた会いたいという気持ちとは。
幼かったから忘れたのか、記憶が修正されているのか、今の家があまりに嫌なので父に会えば全て解決すると思い込んでいるのか、そうではないと知りつつも両親を困らせたいのか。今の父が前の娘と会っているから本当の親子なら私を助けてくれると思い込んだのか。
再婚のときはあんなになついてくれたのに。だからこそ再婚を決めたのに。

かおるが望むならと田中が前夫に会っていってみると変わっていなかった。やはり会わせない方がいい。

前夫は悪そう、妻もそんなはずないと言う、しかしかおるは合わせろと徹底抗戦。
しかし本当のところはどうなのか。
とにかくもう会わせないわけにはいかない。
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