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ねむれ思い子 空のしとねにのshihoのレビュー・感想・評価

2.2
〜予告編に出てくる程度のあらすじは入れますので、何も知らずに観たい!という方はご注意ください♪〜

全編3DCGで作られている、そして監督が長い時間をかけて一人で作ったという凄アニメ。
面白いなと思うところもあったが、アニメーションの完成度としては…
・隠さないCG感が強くキャラクター達に血が通ってる感じがしない

・具体的に言うと上半身の動きに流れがなさすぎる

・顔のつくりも表情もテキトーすぎる

というどうにも入り込みづらすぎるマイナスポイントが辛かった。

ただ、空や雨の雫など自然の映像と宇宙ステーションのSFっぽい機械達との相性は抜群のようでそこは感動した!
冒頭の事故シーンが運転者目線でやけにリアルで怖かったけど、あれもなんかよくわらんけど、コンピューターで作った動きに絵を乗せてるからあんな映像になるんかな?

あらすじを簡単にまとめると、生まれたばかりの頃に両親を事故で亡くした主人公は、経緯はわからないが今は強盗殺人の容疑で指名手配されているんだけど、ある夜突然現れた黒い集団に「外国へ逃がしてやるから協力しろ」と言われて共に宇宙ステーションへ行き、中へ進むと死んだはずの母親がいて…というお話。

ここまでの展開が早すぎて、主人公がなんでそんな事になってるのかもわからんし、いきなりメインの話までぶっ飛んだと言うか事情もあったのだろうけど「一番やりたいシーンだけ存分にやった!」感がすごかったw

ただ若くして死んだ母「里美」さんはなかなか最強母ちゃんでしたw
死後冷凍保存されて記憶と遺伝子情報のデータで蘇った彼女は、宇宙の実験ステーションのシステムをジャック。娘に危害が及ぼうものならモブ敵なんて無慈悲に瞬殺!(いや、雑に無力化しただけかも?)

母ちゃん強し!!
(まとめ方雑!)
いつの時代のアニメ界でもシステム自体になっちゃう程強い意志を持つのは女性なんですな〜〜
(男性監督が作ってるからもあるのかな?)

私男だったらこんな女性と結婚した〜い(*^^*)と思うかわいらしさです。
ちなみにジャケットの女性が里美さんです!主人公かと思ってたわw

説得力に欠けるしびっくりSF作品こそ根元になる人の感情をお粗末にしてはただの薄っぺらいものになってしまうので、
この作品で言えば里美さん無双のシーンは私は大好きだったけど突然のグロに「おおぅw」ってなるし親子の会話は泣けたんだけど、その後の子供のようにウワーンって涙散らしながら泣いてる主人公にはなんか笑えてきちゃうし、父親の存在感無さすぎて不憫だし、
宇宙へ行くまで、行ってからシステムに入るまで、帰って来てから、の主人公の心情の変化をもっとわかりやすくするべきだし、いざ!みたいな前置きがもっと欲しかった。

エンディングの曲とか劇中の子守唄とか里美さんの生前の映像とかポイントではとても良いところもあったけど、アニメというか映像作品はやはり総合力だと思うので全体的には大いに火力不足。
いい脚本にして人物の違和感をどうにかすれば(監督がが望んでいるはわからないけど)もっともっと化けるのではないかと思った。

声優さんで言うと、里美さんや先生(なんとワンピのサンジボイス)と娘の織音の上手さに差がありすぎて、織音が喋る度に変な感じだったよ。
逆に里美さんの声は冒頭からめちゃいい。声優さんの仕事の重要さを知った。

ただ、愛する人からの「なにがあっても、あなたの全部を愛している」とメッセージはいつ見ても涙腺崩壊するよね。
言われた方が今屈折してボロボロになっていると、よりね。
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