きっと観るタイミングが良かった。今でも十分未熟過ぎる私だが、10年前の私が観ていたらたぶん哲学的な会話や言葉についていけず、ただの面倒臭さいドキュメンタリーにしか思えなかっただろう。
クラッシック音楽に生きる人の話で、全部が自分の中で消化出来る言葉ではなかったけど、共感出来る言葉がいくつもあったし、自分の生き方を振り返る材料がいくつもあった。
「音楽は純粋なエクスタシー」であって、生きるのに欠かせないものだというくだりでは、私が知っているミュージシャン達の演奏中やその後の清々しい顔が浮かび、「最近の親は当たり前のことを教えないでいる。厳しくないから若者が未熟になる」という話では、私が日頃感じてきた思いと重なってちょっと嬉しかった。
充実した人生を送るのに必要なのはなんなのか。どんな選択をしたらいいのか。
まったりした休日の午後に、寝転がってリモコンで度々巻き戻したりしながら観るのにはなかなかオツな映画だった。
彼の選んで来た人生にも共感出来た。私も歳をとったんだな、と。
最後の演奏がまた見事でした。
