とぽとぽ

シーモアさんと、大人のための人生入門のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
音楽は人生(で我々を映す鏡)、ピアノは人間。好きこそものの上手なれ、とはよく言ったものだが、彼ほどそれを長く時に過酷だった人生を通して今なお体現し、また教えてくれる人はそういないだろう。安易な表現になるけど癒やされた、優しい気持ちになれる、少しだけ足取りが軽くなれそう。彼に出会ったことで舞台恐怖症を告白できるほど救われ感銘を受け尊敬の念を抱いたであろう"監督"イーサン・ホークの取材対象シーモアさんへのうやうやしく最大限の敬意に満ちた眼差しは時に慎重すぎるかもしれない。それでもこの温かな眼差しと本人が予想した方向に転ばずとも、それ以上の有意義な返答を導き出す手腕は美しく心満たされるようである。人格を作る源はその人が持つ才能にあるらしい。一見柔らかくも誰よりも深く深く考え感じ取っているのだろう。音楽と感情、好きなことと自分の人生はつながっていて、また商業性や観客、金銭的成功などとの普遍的な葛藤も大きな懐で受け入れてしまうよう。救いはいつだって我々の中にある、そう信じたい。人類の歩んできた道標。胸をこうトントンと叩かれている気がする、安心感を与えるために。シーモアさん素敵すぎる、顔つきもいい、こんな魅力的なおじいちゃんになりたいな〜なれるだろうか

「夢にも思っていなかった、この二つの手で空さえ掴めるとは」
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