シーモア・バーンスタイン。
ピアニスト、作曲家、教師、作家。1927年、アメリカ・ニュージャージー州ニューアーク生まれ。
わずか15歳で人にピアノを教え始める。17歳でグリフィス・アーティスト賞を受賞、演奏家としての名声を築いたが、50歳で現役のコンサート・ピアニストとしてのキャリアに終止符を打つ。以降の人生を「教える」ことに捧げる。
イーサン・ホークが俳優である事に悩み苦しんだ時に、救ってくれたと評するのが彼。シーモアさん。
ひとたび、
彼の教える姿を見れば。
彼の奏でる美しいピアノの音色を聴けば。
彼の語る言葉に耳を傾ければ。
不思議と心に沁みてくる。
美しいピアノの調べと本物の言葉の数々が。
あぁ。
こんな人になりたいなぁ。
こんな歳の重ね方をしたいなぁ。
こんなお爺ちゃんになりたいなぁ。
ピアノは弾けないけど、彼の様に
嘘のない、本物の言葉を語る大人になりたいなぁ。
シーモアさんは57年間、独りで暮らしている。
ソファベッドを広げたり畳んだりしながら。
独りの時間を大切にしている。
頭に浮かんだ考えをきちんと整理する為に。
僕もこんな風に生きていきたい。
毎日レビューを書く。
それが僕の日常。
信条としているのは、
言葉を大切にする事。
嘘を書かない事。
このドキュメンタリー映画の中で、シーモアさんが人生で大切な言葉を沢山語ってくれるけど、その中で1番響いた言葉を1つだけご紹介。
"私の年齢になると、ごまかしを一切やめる。人にウソを言わなくなり、自分の心のままを語るようになる。相手が喜ぶことを言うのではなく、真実を言うことこそが、相手にとって最高の褒め言葉だと分かる。"
僕の到達したい境地を見せてもらえた気がした。
シーモアさんに比べると、僕はまだ若いので、クソとかfuckとか汚い言葉をまだまだ吐いてしまうけど、いつかは辿り着きたいなぁ。静かな凪の様に、穏やかな、シーモアさんのその心の在り方に。
ピアノを知らなくても大丈夫。
シーモアさんを知らなくても大丈夫。
ちょっと疲れた人にこそ勧めたい。
癒しの81分間を。