さすらいの旅人

ワンダー 君は太陽のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.1
スターウォーズと理科が好きな子供は誰にも負けない。WOWOW過去録画鑑賞。

涙の押し売りが予想されたのでしばらくスルーしていた作品。
しかし、この映画は当初の予想を覆すくらい、優しくそして温かい作品だった。

主役の10歳のオギー・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は生まれながらに顔に障害を持っている。しかし、両親、姉、姉の友人、学校の友達の理解を得て、素直に明るく生きて行く姿は素晴らしく感動的だ。

本作が秀逸だと思ったのが、シナリオ構成がオギーだけではなく、姉のヴィアやその友人のミランダ、学校の友人ジャックにも主観を移して語られること。それぞれの人物にも人には言えない悩みや葛藤を抱えている。それはオギーの悩みと同等の悩みとして描かれており、人間は外観が違うだけで特異な人など存在しないと訴えている。そのビジョンが私の心に刺さるのだ。

オギーの苦しみや葛藤にも心打たれたが、私は姉のヴィアが何故か心に残る。両親はどうしても弟の方に関心がいってしまうが、本当は自分への愛にも飢えていたはず。それなのに弟に対しての愛情が半端ないのだ。なんといい娘なのだろう…。それから、友人ミランドの好意で演劇のヒロインに抜擢されたシーンは感動ものでした。

本作は暗く重くなりがちなテーマの映画であるが、明るく未来志向に溢れた良作である。