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ワンダー 君は太陽のKubricのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.3
TOHOシネマズ主催の試写会にて鑑賞。2012年に発表された小説を映画化した「Wonder」は全米で公開されるやいなやスマッシュヒットを記録。その背景には「ルーム」で圧倒的な存在感を残した子役のジェイコブ・トレンブレイ、その他豪華キャストの共演が話題となっていた。
しかしそれだけでなく良質なドラマであり、非常に愛嬌の良さを感じる作品になっていたのも要因と言える。
この作品を鑑賞する前から顔が変形する障害、いわゆるトリーチャーコリンズ症候群の事は知っており、本作ではこの障害に悩まされる10歳の少年オギーを中心に、彼の周りで苦悩する人々のドラマにも焦点が当てられ非常に構成が見やすい。
容態が安定したオギーは10歳にしてようやく自宅学習から学校という未知の世界に足を踏み入れるが、いじめや差別に直面する。そのあたりの描写はヘビーではないのだがこのあたりが過酷な現実を避けてしまっている様子は否めない。
家族に支えられその日、その日を過ごすオギー。その裏でも実は彼の友人、家族、そしてその友人までもがオギーという存在に支えられていたというハートフルな演出が続く。
突飛した脚本や映像、ドラマではないのだけどキャストたちの上質な演技、特にオーウェン・ウィルソンのナイスキャスティングぶりには本当に笑わせてもらった。
ジュリア・ロバーツの安定性に加えて、ジェイコブ・トレンブレイと周りの子役たちもとっても上手で最後まで見飽きない。

それにしても泣かしてもらいました。
ティーンエイジャーあるあるや、悩める子供と大人と、少しずつ強くなって周りを巻き込んでいくオギーを鑑賞者の僕たちも夢中になっていく姿には感動すること間違いなし。
本当にプレデターなんかに出ちゃって平気かい、ジェイコブ君?
スティーブン・チョボスキー監督は前作「ウォールフラワー」を自ら映画化するとたちまち絶賛されていたが、本作「Wonder」も原作ありきで、かつそれだけに頼らずに心地よい距離感があったのでそのあたりは監督チョイスは良かったかと。
総評として「Wonder」はハートフルで、青春映画で、まとまりのあるドラマ映画。
オーウェン・ウィルソンを楽しむだけでも、いやむしろキャスト全員の演技を堪能するだけでも良い作品である。
クリアな感覚で観れるユーモアも愛嬌のある作品なので良い。
本作を観て「イミテーション・ゲーム」で脚色賞を受賞したグレアム・ムーアのスピーチを思い出した。Stay different.