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ワンダー 君は太陽のKotaのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.0
“When given the choice between being right or being kind, choose kind. ”

これはトリーチャーコリンズ症候群のオギーだけの物語ではなく、彼を取り巻く全ての人の優しさの物語。観終わった時には心が浄化された気分になるハズ。王道だし、御涙頂戴感は否めないけど、それをも越えて涙が出る。監督の前作“ウォールフラワー”もそうだけど、普通じゃないと思われる人にとって“普通な“小さな物語を描くのが本当に上手。

オギー(ジェイコブトレンブレイ)は見た目は違えど“ルーム”の時のような迫真の演技で、声だけでも涙腺が緩む。そしてイサベル(ジュリアロバーツ)とネイト(オーウェンウィルソン)の圧倒的な演技力によってこの映画はできているといっても過言ではない。ジュリアロバーツは“グッドナイトムーン”、オーウェンウィルソンは“マーリー”でどちらも名親を好演してたから、初共演で化学反応が起きたかのようにように素晴らしかったなぁ。インタビューでもお互いに今まででベストの相手役だと語っている。ちなみに、ネイトからイサベルへのプレゼントのシーンは“プリティーウーマン”のオマージュだね。

宇宙がサブキーワードで、この映画には“スターウォーズ”はじめ宇宙の小ネタがたくさん。オギーが乗っていた自転車は“E.T.”の自転車だし、ミランダと電話した時に「トム少佐」と呼ばれていたのは、デヴィットボウイの“space oddity“の歌詞から。そしてオギー自身もサン(息子/太陽)であり、周りのみんな(惑星)を照らしていた。どことなく“シンプルシモン”に雰囲気が似てるよね。

もしその人がどんな人なのか知りたければ、大切なのは“よく見る”こと。外見ではなく、その人の中身を。そんな当たり前な事を改めて教えてくれた。
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