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ワンダー 君は太陽のTSのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
3.8
【外見ではなく中身】81点
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監督:スティーヴン・チョボスキー
製作国:アメリカ
ジャンル:ドラマ
収録時間:113分
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2018年劇場鑑賞57本目。
よくありそうな感動物語でして、絶賛されている中一部では「感動ポルノ」であると批判されていますが、概ね文句のつけようがない作品だと感じました。強いていうなら、無難すぎて予想の範疇で終わってしまったということ。もっと感動して泣きたかった分、若干物足りなかった節もたしかにあります。

オーガスト・プルマンは顔が変形するトリーチャーコリンズ症候群を患っており、容態が安定した時期に学校に通い始める。しかし、やはりその顔を見たクラスの生徒たちは彼を怪訝な扱うのだが。。

基本的にはオギーが主人公であるのですが、オギーの姉やその友達の視点からも描かれている形式となっています。こういう作品は当事者だけの目線からのみ描かれることが多いですが、今作はその形式を打破しているので評価されるべき点だと思います。クラス文化というものがあり、彼をいじめる存在もいれば、なるべく関わらないようにそれを傍聴している存在もいます。オギーは賢く、特に理科の成績は学年トップです。外見だけでなく、こういうところでも目立ってしまうため、彼をよく思わない人達は余計彼に嫌気がさすのです。

普通ならば心が折れてしまうシチュエーションですがオギーは諦めません。オギーは仲間が欲しいため、教育上してはいけないことをします。しかし、これで仲間が出来たのですから何事も状況によって変容するのだと改めて実感させられました。そこからオギーの仲間づくりが本格的にスタートしていくのです。

人は外見だけで判断してはいけない。大切なのは中身。いくら外見が良くても中身が腐っていたらどうしようもない。校長がいう「大事なのは、我々の見方を変えること」は的を得ています。たしかに自分とは少し違う存在のものを初めて見たとき、数秒はギョッとしてしまうでしょう。それは人間が備えもつ本能でもあるから仕方ない。大事なのはその数秒後、あらゆる偏見を削除してその存在に真摯に向き合うことが出来るかということです。

人権映画として生徒達に見せても申し分ない出来。懸念事項としては、オギーと似た境遇の生徒がいた場合、本人がどう捉えるかということが挙げられますが、今作はシリアスすぎず軽すぎず、適度なポップ感、明るさを醸し出しているのでほとんどの方に受け入れられる作品だと思います。エンディング曲が自分好みすぎたので1点加点します笑
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