Eee

ワンダー 君は太陽のEeeのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.2
こういう映画を観たい!と思って、というか求めて映画館へ這って行ったようなものだったので、感無量。

なんと言っても大人よりも数段繊細な演技が出来る子役達。脱帽もの。
そしてOwen Wilsonの愛すべきパパ像はじめオギーの周りの人間達にもしっかりスポットを当てて、丁寧にキャラクターを映し出してゆく構成の心地良さ。最後までカットひとつひとつ噛みしめるように堪能できる。

オギーはとっても明るくて魅力的な男の子で、家族が惜しげもなく注ぐ愛情も、小さなからだでしっかりと受け止めようと振る舞う。だけど家の外に出てみれば好奇の目、拒絶の目、ずっと守って貰えるわけじゃない。
家に帰れば抱きしめて貰えても、外に出れば闘わなくちゃいけない。

懸命に向き合って、闘って、家族がいなくても側に居てくれる仲間を見つけて、また闘って。
サマーキャンプで上級生とケンカしたあとの湖畔のシーンでひとり涙を流したオギーの姿に、色んな感情が一気に湧き上がってきて 気付けば嗚咽。子供ってああいう時に泣くよねって。ズルかったなぁあのシーン。

オギーがもし実在して世の中に出たら きっとこの映画みたいに味方だらけとはいかないかもしれない。でも、周りに愛されて愛されて懸命に生きる姿には、多くの人の胸を打つものがある。はず。

心が浄化、って軒並みな表現しか出来ないのが悔しいけど、本当にそう。

しかも下品な催涙ではなくしっかりと脚本で、台詞で、演技で心を鷲掴みにしてくるような映画でした。
Eee

Eee