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ワンダー 君は太陽のChivaのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.4
「泣きますよ」と言われて観に行った。おそらく先天的なハンデを負ったオギーがいかに可哀想かを描き出し、優しさに触れて感動するんだろう。そう予想していた。

しかしこの映画は、それだけでは終わらなかった。全てをオギー中心にしなければいけない家族、特に姉Viaの苦悩がリアルで、優しさが深くて。さいごに周りの仲間から小粋な優しさを返してもらい、あの談笑。本当に良かった。

人はみんな戦っているんだ。という言葉。正しいか優しいかなら優しさを選べという言葉。しばらく残るだろう。

自分の気持ちの角が取れていくような気がした。周りにいてくれる人の大切さ。ぶつかってくる人の、向こうっ側。

友人のジャックの優しさと勇気に心打たれた。軽率な言動で傷つけてしまい、後悔すること。ここぞという時に奮い起ち、でもその相手も友達だからこそ、爆発する感情。この映画では子供の友達付き合いだけど、大人でも似たようなことがあるし、その時に自分は後悔なく振る舞えるのかなと。

冒頭からワンシーンで幾重もの想いを表していた母親、優しく寄り添い励ます父親はもちろん、姉、友人、ほか全ての人たちが、優しさというか、素直な感情を持っている。それをどう表現し、人と、社会と関わっていくか。みんな苦悩している。戦っている。(ジュリアンも救ってあげてほしかった!彼も苦悩と戦っているはずなんだ!)

また観たくなる映画だった。心の凝りを感じたときに。

映画館では、カップル数組と、後から入ってきた男子高校生グループがいた。男子高校生がワイワイ言いながら最後列に移動していったので、途中騒ぐんじゃないかと不安だったが、終わったら、みんな泣いていた。泣く環境づくりのために他の人と適当な距離を取ってくれたんだと思う。優しいな。お陰さまでかなり泣きましたよ。
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