生まれつきの障害で人と違う容姿、自宅学習をしていたが小学校5年から学校に通い出すというお話。はっきり言って、どう考えても劇場で見たら落涙するでしょ。
そして、確かに随所に眼から汗が出るシーンはあったのだが‥ 何故だろう、仕事がら、知的障害の子や身体が健康でない子と接する機会があるせいか、主人公のオギーは、目もあって鼻もあって手もあって足もあって歩けて走れてゲーム出来て遊べて勉強できて、と言う状況(と言っても健康な我々には到底理解できない苦しみや悲しみを本人・家族は背負っている事は重々承知)のオギーにそこまで感情移入出来ず。
しかし、映画の流れとしてはとても良かった。
当本人のオギーだけでなく、登場人物それぞれの状況をパートごとに紹介する方法は秀逸。特に姉のヴァアパート、この状況は非常によくある事で、障害者の兄弟姉妹がうまくいかなくなる事は実際に良くある事。この物語でも、姉のヴィアは色々と我慢にガマンを重ねながら成長している。演劇シーンなんて涙で目が霞んだわ。
しかし、本当に良い映画なんだけどやっぱりそこまでハマらなかった。たぶん、登場人物がみんな良い人過ぎるからかな… 悪い人は、学校を去って行ったイジメッ子の両親ぐらいかな。
ちなみに、海外ミステリー作家「ジェフリー・ディーヴァー」の代表作に、「リンカーン・ライムシリーズ」というのがあって、これは主人公の分析官が頸椎損傷で下半身不随なんだけどバシバシ事件を解決していくという最高に面白い物語。今回『ワンダー』を見て、このシリーズを思い出した。と言うのも、リンカーン・ライムは常々、障害者を見て見ぬふりをするのではなくてジロジロ見て欲しい、今はこの状態が個性だから、というスタンスがヒネクレてて面白い。
自分が障害を持っていたらどうかなぁ?とか、自分が障害者と向き合った時はどうできるかなぁ?とか、色々と考えさせられる作品だった。