Hiroki

ワンダー 君は太陽のHirokiのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.1
もう劇場で予告が流れてる時点で「こんなの泣くに決まってるじゃん」て思ってたんだけど、なかなか思ってたのと違って複雑な映画だった。
両親役のオーウェン・ウィルソンとジュリア・ロバーツはもちろん、トリーチャーコリンズ症候群の手術のせいで顔が変形してしまう難しい役を演じたジェイコブ・トレンブレイも良いし、姉役のイザベラ・ヴィドヴィッチも良い。というかほとんどの出演者総じて良い。

内容的にはまず宇宙に憧れるジェイコブの視点で出てくる“太陽とその周りを周回する惑星”がキーワード。
初めはジェイコブが太陽で周りに人々が惑星なんだと思った。実際にジェイコブの周りで苦悩する姉や友達、姉の親友のエピソードが挿入されて「周りもみんなつらいんだよね」とか感情移入してしまう。
でもなんだかこの挿入エピソードパートすごく中途半端な感じがする。深く掘り下げないでダイジェスト的な。
そこにとても違和感を感じて「視点を変えるための効果に使ったのか?」とか「時間なくて編集したのかな?」とか考えるんだけどラストに近づくにつれ感じたのは“太陽の捉え方”を勘違いしてたのではないかと。
スティーブン・チョボスキーが言いたかったのは太陽は観ている観客1人1人あなた自身なんだよってことなんじゃないかって。

そしてもう1つの大切な視点はいじめっ子ファミリーに校長先生が言う「外見は変えられなくても、見る目は変えることができる」
この作品本当にみんなが好演していてみんなが最終的にはめっちゃいい奴だし(いじめっ子ファミリーの親は除く)、そんなにみんないい奴なら人生苦労しねーよって思うんだけど、きっとその目じゃダメなんだよね。
見る目を変えないといけない。
人にはみんな長所も短所もあって、良い時も悪い時もあって、それでも共に同じ場所で生きてる人間だから、自分の見る目次第でその人は良い奴にも悪い奴にもなる。自分がどんなフィルターを用意するかが大切なんだよって物語全部で言われている気がしました。
ただのお涙頂戴モノではないとてもとても奥深い、さすが脚本家出身のスティーブン・チョボスキーだなと。原作は続編もあっていじめっ子視点の話らしいのでそっちも気になる。
最後に劇中にでてくる“正しいことと親切なこと、選ぶなら親切なこと”という格言がパンチラインすぎて大好きでした!

2018-109
Hiroki

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