キッチー

ワンダー 君は太陽のキッチーのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.0
トリーチャー・コリンズ症候群(頬骨の欠損等により顔が崩れてしまう病気)のため、幼い時から入退院を繰り返したオーガスト・ブルマン少年(オギー)は、とても温かい家族に大事に大事に育てられていていましたが、いずれは社会と関わらなければならないということで、容態が安定してきたのを機に、10歳で初めて学校に通います。

ところが、彼はクラスメートからいじめを受け、孤立することに...きっかけは彼の容貌というところが悲しいのですが、普通に学校で起こるいじめと変わらない感じでしたね。勉強を教えてあげたことで初めて出来た友達の裏切りも、特別でなくてもありそうなことで...本心ではなくてもやってしまいそうな過ちで...苦しくなりました。

それでも終盤、徐々に彼が普通の男の子と変わらないことが分かり周囲も変わっていくところ、彼が得意の理科の自由研究がきっかけでクラスの中心になっていくところ、ハンディキャップを乗り越えていくオギーには、やはり感動です。

自分はどちらかというと彼を見守る母親(ジュリア・ロバーツ)と父親(オーウェン・ウィルソン)に感情移入していましたが、子供を心配する二人がとても温かくて素敵でした。ラストは、ちょっとうるっとしてしまいました。

映画は友達のジャックやお姉ちゃんのヴィア、その友達のミランダにスポットをあてた話も出てくるので、殊更にオギーの病気を強調していないのも良かったです。それぞれの事情や気持ちも分かって、いい構成でした。

それにしてもオギーを演じたジェイコブ・トレンブレイ君は映画『ルーム』の息子役といい、凄いチャレンジングな役をやりますね。今作も際立ってましたし、成長が楽しみです。
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