映画ネズミ

ザ・ブック・オブ・ヘンリーの映画ネズミのレビュー・感想・評価

4.0
向いている人:①ジェイデン・リーバハーとジェイコブ・トレンブレイが好きな人
       ②ナオミ・ワッツが好きな人

 Netflixで配信が始まったので、見てみました。結構よかったです。アメリカでは賛否両論らしいですが、それも分かる気がします。

 天才少年ヘンリーは、弟ピーターと、母親スーザンと仲良く暮らしている。しかし、ある日、彼は隣人の娘クリスティーナが虐待されていることを知る。そこで彼は、ある計画を考える。

 前半はジュブナイル物を主軸に、ヒッチコックの『裏窓』的な、郊外の住宅地で起こるヒリヒリするような犯罪スリラーの要素が合わせて進行、後半は、『裏窓』とは一味違うクライムサスペンスになります。

こういう意外なジャンルミックスがあると、個人的には嬉しいですね。

 この映画、だいぶ酷評されていて、アメリカでは興行的に失敗作と言われています。

 でも、見た印象としては、確かにガタガタしているし、後半は特に無理矢理だな、と思う展開もあるのですが、すごく瑞々しい人間ドラマになっていたと思います。

 そう思えるのは、主人公の兄弟を演じたジェイデン・リーバハーとジェイコブ・トレンブレイの2人と、母親役のナオミ・ワッツの演技だと思います。

 主人公兄弟の2人のやり取りは、本当に微笑ましいです。正直、これだけを2時間見ていてもいいくらいです。
 特に、弟ピーター役のジェイコブ・トレンブレイが素晴らしいです。彼のおかげで、映画に優しい情感が加わっていると思います。
 さすが、『ルーム』『ワンダー』そして『ザ・プレデター』で定評のある子役さんです(1つおかしいのがありますか?気のせいでしょう)。

 ナオミ・ワッツは、いつも素晴らしいですね! 今回は、悪態をつきながらテレビゲームをやって子供に注意される、ダメな母親役です。
 いい人なんですが、息子がいないと何もできないし、およそ生活の知恵があるとは思えません。そんな、周囲の状況に翻弄されまくるダメ母親が、ある出来事をきっかけに母親としての自覚を得るお話とも言えます。

 この兄弟と母親のドラマだけ見ていたい!と思わせるくらい、この3人の演技は素晴らしかったです。それを見るだけでも、この映画を見る価値があると思います。

 監督は『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレボロウ。正直、とっ散らかりそうなこの物語を、うまく演出でまとめる手腕は、すごいと思います。

 ところどころ、「それって、いいのかな?」と思わせる描写や展開があるのですが、このホームドラマ+クライムサスペンスというジャンルミックス自体意外で面白いですし、強引な展開も、俳優陣の演技で最後まで見せる映画だったのは、好感が持てました。

 「最悪なのは、無関心でいることだ。暴力をふるうより悪い」というヘンリーの言葉、これは日々考えなければいけないことだと思います。様々な感情がこみ上げるヒューマンドラマでした。日本ではDVD 発売の予定も無さそうなので、NETFLIXを見られる方は是非‼️