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アーリーマン〜ダグと仲間のキックオフ!〜のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2018年のイギリス/フランスの作品。

監督は「ウォレスとグルミット」シリーズのニック・パーク。

太古の昔、原始部族の少年ダグは仲間たちと共に谷間で平和に暮らしていた。しかし、そこに谷で取れる青銅を奪うためブロンズ・エイジ・シティの暴君ヌース卿が軍隊を引き連れて侵攻されてしまう。その最中、ごたごたに巻き込まれてブロンズ・エイジ・シティに紛れ込んでしまったダグはそこでサッカーが崇拝されていることを知る。そこでダグはヌース卿に、地元でもっとも強いチーム「レアル・ブロンジオ」に故郷を取り戻す条件で試合を申し込むことになるのだが…。

ご存知、「ウォレスとグルミット」シリーズを手掛けたアードマン・スタジオの最新作!ということで、また観ていなかったのでアマプラで鑑賞。

そんなスタジオの作品は、なんと原始人×サッカー!!

なるほど、確かにスタジオの本拠地イギリスはサッカーの強豪国としても知られている。なので、劇中でもヒロイングーナによって「フォーメーション」がどうとか、そういう具体的な話も飛び出したり、ライバルチームがレアル・マドリードを暗にもじったレアル・ブロンジオだったりする(あちらは本拠地がスペインだったけど)。

ただ、ストップモーションアニメとスポーツて考えると本来なら「静」と「動」でものすごく食い合わせが悪いように感じるんだけど、実際に見てみるとそこら辺は体感では割と感じさせないのは流石。劇中、最後に原始人チーム(andグーナ)vsレアル・ブロンジオの試合が描かれるんだけど、そこも試合の喧騒な雰囲気込みでかなり躍動感&臨場感があって、作り手がかなり頑張ったんだろうなぁと、その努力の軌跡に感心してしまう。

また、原始人vs近代人とのバトルという点ではメル・ギブソン監督による「アポカリプト」にも近いものがあって、搾取のために故郷を追われる古代人という時代の縮図を描いているという点でも興味深い。

その中で主人公の原始人の少年ダグは故郷を取り戻すため頑張るんだけど、サッカーの「さ」の字もわかっていない仲間にそれを享受するのは至難の技!そこでグーナも加わり、劣悪な環境下で練習を積み重ねて成長していく様は、まさにスポ根もののそれ!!

冒頭で、ダグの個性豊かな仲間たち一人一人の個性も割と描かれるので単なる書き割りにならずに機能しているところも良い。

レアル・マドリードと同じくスター軍団で全員が俺様なレアル・ブロンジオに対して共に育った仲間のチームプレーで勝利するというところも「がんばれ!ベアーズ」っぽいけど、終盤GKの長老に代わって、まさかのあいつが交代要員として加わるところは「少林サッカー」っぽくもある!

ラストのオーバーヘッドが華々しく決まって勝利ってところまで最後までアードマンスタジオなりのスポーツものとして爽快感ありまくる作品でした!!
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