ネトフリ。なぎちゃんと、何回目かな、久方ぶりに見た。これ見たのは高校生のころなんだな。ラストシーンで圧倒されたのを覚えている。けれども、こうしてみると冒頭の砂漠のシーンからの積み重ねがうまいんだよね。
それからぼくにとってのこの映画は、誰がなんといっても、テリー・ガーにつきる。おかしくなってゆくドライファイスを悲しそうに見ながら、なんとか家族を守ろうとするけなげさは、今見てももうたまりません。
もうひとりのヒロイン、メリンダ・ディロンもよいのだけど、どうにも不思議な役どころ。シングル・マザーなんだろうけれど、絵描きでもあるのかな、ドライファイスの妄想に寄り添ってくれる女性で、テリー・ガーとうまくバランスをとっている。
今回の発見は、宇宙人との交信に使われたペンタトニック「レミドドソ」が、人工言語の「ソルレソレ」に由来したものらしいこと。これ、Wikipedia を見直して知ったのだけど、ジャン・フランソワ・シュドル(Jean-François Sudre、1787 - 1862)というフランスの著作家で作曲家で開発した人工言語なんだそうだ。音階を文字の代わりに使うことで、世界共通語を作ろうという発想だったらしいけど、なるほど、だとすればフランソワ・トリュフォーが起用された理由もわからないでもない。
わからないでもないのは、19世紀の国民国家への独立戦争が繰り返された時代に構想された人工的な世界共通言語を、100年後の冷戦の時代に復活させたこと。それって、実にスピルバーグ的な善良さなんだと思う。ほとんどディズニーの「星に願いを」なんだけどね。